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NA「今回は、山が大好きという女優の藤田美保子さんが、信
州北アルプスの白馬から小谷を巡ります。」 |
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NA「ようやく春を迎えた長野県白馬村。一斉に草木が芽吹
き、新しい命の誕生にあふれています。」 |
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NA「そして山あいで営まれている静かな暮らし。」 |
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藤田「きれい。日本昔話だこれは。」 |
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NA「年を重ねた山里の宿で、つかの間、田舎暮らしを体験し
ました。」 |
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NA「幸運な事に、天然記念物のヒメギフチョウまで見る事が
出来たのです。」 |
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NA「北アルプスを眺めながらの露天風呂。新緑の空気を胸
いっぱいに吸い込んで、山々のような雄大な気分になりまし
た。」 |
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NA「藤田美保子の新緑の信州・白馬を行く」 |
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NA「温泉で鋭気を養った、藤田さん。足取りも軽く絶好調。今
夜の宿に向かいます。」 |
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藤田「よいしょ。よいしょ。今夜のお宿は? あそこです。」 |
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藤田「すみません。」 |
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私「あっ。どうも。こんにちは。」 |
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藤田「あの、民宿マル七というのは?」 |
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私「はい。マル七でございます。」 |
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藤田「あっそーなんですか。」 |
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私「藤田美保子さんですか。」 |
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藤田「はいそうです。どうぞよろしくお願いします。」 |
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私「自転車でこられたんですね。」
藤田「はいそうです。」
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私「東京からですか?」
藤田「いえ。違いますよー。はっはっは。」 |
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NA「民宿マル七の建物は大正9年に建てられたとの事。」 |
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私「白馬で一番きたない宿でおはずかしいですけど。」 |
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藤田「いやー。なつかしいー。こんにちは。」 |
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家内「こんにちは。ようこそ。」
藤田「なつかしー。」 |
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家内「こんなところに初めていらっしゃるでしょう。」
藤田「どうも。藤田美保子です。お世話になります。よろしくお
願いします。」 |
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家内「ようこそ。」
藤田「これがその囲炉裏なんですね。」
家内「囲炉裏です。」 |
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藤田「ここだけにしかないんですか。」
家内「そうですね。」 |
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家内「囲炉裏の部分は元は土だったのですが、だんだん穴が開いてきまして、今はコンクリートにしています。」 |
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藤田「はぁー。」
家内「中は灰が入っています。」 |
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藤田「いやー。すごい。やっぱり煤が。」 |
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藤田「やっぱりこちらは静かですね。」 |
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私「そうですね。でも今にカエルがうるさくなるほど泣きますよ。」 |
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藤田「あっ。そうですか。」 |
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NA「食卓に出される野菜はすべて無農薬。ご主人と奥さんが丹精込めて育てたものばかりです。」 |
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家内「今年は寒いもので、 |
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蕗がなかなか大きくならなかったんですよ。」 |
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NA「まるで田舎に帰ったような、家庭的な雰囲気です。」 |
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NA「囲炉裏のやわらかな火と、旬の野菜をまるごと頂くような
料理の数々。」 |
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藤田「お燗がつきました?」 |
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私「ええ。」 |
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私「どうぞ。どうぞ。」 |
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藤田「わたしがつぎます。」 |
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私「ようこそ。どうも。」 |
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藤田「んー。」 |
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藤田「ああ。美味しい。」 |
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NA「この雰囲気に惹かれて、常連客になる人が多いとか。」 |
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NA「家の外にはカエルの鳴き声が響き渡っていました。」 |