平成14年7月4日放映 信越放送"SBCスペシャル" 白馬山麓二人旅

 
放送日:7月4日 木曜日 午後6:55〜7:50

『体感!北アルプス 発見!田舎暮らし』 
〜白馬山麓ふたり旅〜

14年6月15日ロケ 城戸さん,丸山アナと撮影スタッフ

   

 初夏を迎えた白馬山麓の白馬村と小谷村を画家でタレントの城戸真亜子と丸山隆之アナウ
ンサーがふるさとの原風景と田舎暮らしの魅力を求めて旅する。

 スキーリゾートとして知られる白馬山麓は、第二の軽井沢とも言われ、夏場も観光客でにぎ
わう。しかし一方で、絵を描く人など白馬山麓の素朴さを求めて繰り返し訪れる人々も多い。番
組では、白馬山麓の魅力を様々な旅の体験を通して再発見していく。

 白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳の白馬三山は今、里の緑に残雪が美しく映え、人を惹きつける
風景にあふれている。中腹の八方尾根や栂池自然園は、今ようやく花の季節を迎えたところ。
二人はその大自然の中を歩き、気球や姫川のラフティングにも挑戦しながら自然風景を満喫
する。また白馬山麓には多くの茅葺き民家や千国街道・塩の道など歴史の面影も残されてい
る。心のふるさとの懐かしさを求めて訪れる人々を癒すその風景を守る人たちと二人は出会
い、古来より旅人をもてなしてきた温かい人情にもふれる。囲炉裏端の食事、湯治の湯、山菜
などを楽しみながら、古い物を現代に活かす暮らしを知る旅となる。

 毎年やってくるツバメを孫のように待っているおばあさん。茅葺と囲炉裏の火を絶やさない民
宿。古民家を再生しまた古民家を登録文化財として残すことでふるさとを見直し、子ども達の
世代に伝えていこうと活動している若者など、癒される風景に秘められた白馬山麓の人々の
暮らしも訪ねる。城戸真亜子は、最後に心に残った風景を旅で感じた思いを込めて絵に描く。

SBCスペシャル
白馬山麓二人旅 城戸 真亜子 SBC丸山隆之アナウンサー
城戸「わー! すごい景色ですねー。」
丸山「見てくださいこれ。」
城戸「ほんものこれ?手前だけが本物で、背景は貼り付けた
みたいに見えますね。」
丸山「本物です。この風景をお見せしたくて、ここへお連れし
ました。白馬の旅。」
城戸「ウエルカムって、迎えてくれた気がしますね。うれしいで
す。」
NA「この日の宿は、白馬山麓でただ一軒、今でも毎日囲炉
裏の火を絶やさないという、茅葺き屋根の民宿です。」
城戸「大きな家。あっマル七って書いてある。」
丸山「ここです。マル七さん。」
城戸「わー。立派なおうちですね。」
丸山「こちらがマル七さんで。あっ、伊藤さんですか。」
私「はい。伊藤でございます。」
NA「ご主人の伊藤さんが家の角で迎えてくれました。」
丸山「よろしくお願いします。」
城戸「あーどーも。よろしくお願いします。このちっちゃい家も
茅葺きですね。」
丸山「これは、離れですか?」
私「今の人に話しても分からないでしょうが、農家では必ずお
便所は外にありまして、夜中でも、冬の雪が深い時でも、この
お便所に来たわけなんです。」
城戸「へぇー。トイレですか。」
私「私どものこんな家を写真に撮ったり、絵描きさんがよく描
きに来るんですけど、ある時、この小屋が無ければ我家が絵
にならないと言われまして、絵描きさんのために残してあるよ
うなものなんです。もう崩れそうになっていたのをいくらかお金
をかけまして、維持しています。」
城戸「使ってはいないのですか。」
私「今は使ってはおらず、農機具置き場になっています。」
丸山「さー。じゃあ家の中におじゃましてよろしいですか。」
NA「お客さんを家の角まで迎えに出て、また角まで見送る。
ご主人はおばあさんから教わった事を、40年におよぶ民宿
経営の中で守ってきました。そして必ず、囲炉裏の火が暖かく
迎えてくれます。」
城戸「こんにちは。わーなつかしい感じ。」
丸山「こんにちは。お世話になります。」
家内「どうも。ようこそ。こんにちは。」
NA「奥さんの郁さんは、春は裏山の山菜、そして初夏から秋
にかけては、家の畑で作った採れたての野菜でもてなしてくれ
ます。
昔この地の神様が、里芋の葉で滑って転び、ごまの葉で目を突いてしまいました。だから畑には里芋とごまだけはありませんが、丹精を込めて作った野菜はどれもおいしそうです。」
NA「囲炉裏のまわりには、自然と人が集まるそうです。そして初対面同士でも不思議とうちとけて話がはずむのだそうです。」
NA「食事もまたこの囲炉裏のまわりです。畑からの野菜がおいしそうに並びました。」
NA「そして奥さんの自慢の料理が、この茶碗蒸です。お味噌が乗っていますが、中身もちょっと変わっています。」
城戸「お味噌。」
丸山「お味噌の味がしますね。」
城戸「えっ。なんでしょう。あれっ。お豆腐の味がしますね。」
家内「お豆腐はお豆腐ですけれど。」
城戸「湯葉ですか。」
丸山「とろっとして、もちもちっとした、この食感。これは伊藤さん、何ですか。」
家内「ごま豆腐です。」
城戸「あっ。ごま豆腐。香ばしいですね。」
丸山「うん。」
丸山「この囲炉裏がまた、年期が入っているじゃないですか。」
私「そうですね。この家を建てた時の物では無くて、前の家のものを持ってきたようです。」
丸山「はー。」
城戸「それはいつ頃なんでしょうか。」
私「いやー。ちょっとそれは分からないですね。江戸時代でしょうね。」
私「私の家は、私で8代目。今年で288年目になります。」
城戸「さっきから気になっていたんですけど、囲炉裏の角にまあるい石がありますね。」
私「これは囲炉裏の守り神です。子供が囲炉裏に落ちないように、身代わりになって囲炉裏の中に落ちて、これが焼けて子供を守るというためのものなのです。」
城戸「子供が囲炉裏に落ちないようにという事なのですか。」
私「そうです。」
城戸「子供の頃からずっとこの囲炉裏の思い出というのはあるのですか?」
私「私は最後の徴兵で、42日間の帝国軍人ということで、終戦後、鳥取の原隊から丸一昼夜かかって帰ってきたのです。今思い出しても涙が出てきますが、夜9時半頃最終列車を降りて、10時過ぎに玄関をあけて入ってきたら、まあ父はその前に戦死していたのですけれども、母も祖父も祖母も兄弟もみんながここに飛び出してきて、すぐに囲炉裏の火をつけてくれたのです。あの時の囲炉裏のありがたさは、一生忘れる事ができませんね。」
丸山「当時のパチッパチッと言う火の音も覚えていますか。」
私「ええ。」
城戸「家に入ってきた時に火が燃えていて、ご主人も表まで迎えてくださったし、迎えてくださる気持ちがすごく強いように感じて、とてもうれしかったです。」
NA「ご主人は、火の消えたような家とはよく言ったものだと、しみじみと囲炉裏端の人のぬくもりの話をしてくれました。」

アナウンサーのひとりごと

02.06.24 丸山 隆之
#103 SBCスペシャル 
「SBCスペシャル 城戸真亜子さんと…」の巻 

6月の中旬 日本中がW杯予選リーグで湧きかえっている頃 白馬村・小谷村を訪ね歩きまし
た。青鬼集落や塩の道など北安曇の白馬山麓に今なお残る昔ながらの風景、そしてそんな景
色を後世に残そうとしている方の努力に驚いたり感動したりの歩き旅。

一緒に歩いていただいたのは画家でトレッキング大好きな城戸真亜子さん。
壁の様に連なる北アルプスと里の風景を目にして「遠景中景近景の奥行きと色の濃淡が絶
妙」と感激していました。笑顔とすらっとしたスタイルと、山道をぐんぐん進む体力…城戸さんは
スゴイ!また、旅先で出会った方々や我々スタッフにも優しく接して下さり温かい取材となりまし
た。 
それにしても自分の足で歩いて知ることって多いですね。ガイドブックで知識としては知ってい
た「塩の道」も、かつての面影を残す観音像や石で出来た水飲み場などを見ながら、古い道を
郷土史研究家の先生と歩いたのはとても有益な体験でした。「何故塩の道は姫川の国道沿い
から外れて山奥を行くの?」といった疑問は地元の方のお話を伺ってみないと実感できないも
のです。 

少々写真を撮って来ましたのでご覧下さい。
 

▲八方尾根トレッキング
城戸さんの隣 カメラをかけている方が松本市の写真家小口和利さん 


▲登山中高山植物をチェックする城戸さん
  


▲標高2120mの八方池はまだ半分程雪に覆われていました
小口さんの持ってきた白ワインで乾杯 

  
▲白馬村で一軒だけになったカヤブキ屋根の民宿『マル七』
ご主人の伊藤馨さん(灰色のシャツ)が奥さん(隣)と一緒に自慢の囲炉裏でもてなして下さい
ます 

ここからの2枚は放送を見てのお楽しみ

▲白馬村内のとあるスポットは朝から大勢のアマチュア画家でいっぱい 皆さんが愛して止ま
ない風景とは? 


▲旅の終わりにひとりスケッチブックに向かう城戸真亜子さん。「構図さえ決まってしまったら迷
わず描き進める」のだとか。さあ城戸さんはどんな風景を描いたのでしょう…? 


▲スタッフと撮影終了時に。
今回の取材は梅雨空との戦い。城戸さんの右隣 グリーンのパンツの伊東工ディレクターはロ
ケ中ずっと空に「気」を送り続けていました。
 

この他 古民家をおしゃれにリフォームした若夫婦や県内で1軒になってしまった炊事場つき
温泉宿 山の味に水辺のアドベンチャー体験などもご紹介。
 


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