平成16年1月31日発売のリクルート 東海じゃらん3月号 P31

懐かしくてやさしい雪国の田舎民宿にて

 かつては村のほとんどが茅葺き民家であったという白馬村。その白馬で当時の面影を残す
集落が内山地区である。ここで白馬唯一の茅葺き民宿を営む「マル七」が今日のお宿だ。雪に
覆われたどっしり大きな茅葺き屋根。そこから連なる氷柱は何と長さ2mにもなるという。私た
ちを暖かく迎えてくれる囲炉裏、火を囲みながらご主人ご夫妻がいろんな話を聞かせてくれ
た。囲炉裏と茅葺き民家の知恵、2階で養蚕をしていた頃のこと、手作りの雪国の家庭料理の
こと…。昔ながらの雪国の暮らしがここには今も残っている。何だか自分のおじいちゃん・おば
あちゃんちに来たみたいに、あったかな気持ちになった。
 引き戸を開け敷居をまたぐとまずは土間、その向こうに暖をとる囲炉裏。「煤で靴下が真っ黒
になるだ」と笑顔で迎えてくれる伊藤夫妻が切り盛りする素朴な民宿だ。手作りの家庭料理を
味わい、囲炉裏端でご主人との一献が目当ての客も多いという。温かみあふれるもてなしと人
情に「故郷」を実感できる、雪国らしい貴重な宿である。






トップへ
トップへ
戻る
戻る